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今回は、伝送周波数特性の最終回として、簡単にまとめたいと思います。
第2回にお話した通り、伝送周波数特性は、受音点での(ホールやスタジアムの客席など)周波数の違いによる音圧レベルの変化を示す特性です。客席などの受音点で、スペクトルアナライザで周波数特性を測定します。信号は、ピンクノイズを使い、1/3オクターブバンド(可聴帯域20Hz〜20KHzを1/3オクターブづつに分けて)、30帯域の周波数ごとのレベルを測定します。
ピンクノイズをオクターブバンドで見ると、エネルギーが均一でフラット(平坦)な特性をしています(ピンクノイズは、ホワイトノイズを3db/octのLPF(ローパスフィルタ)に通したものです)。オクターブバンドごとの音量(エネルギー量)が均一なため、評価するのに都合がよいので、ピンクノイズを利用しています。
さて、測定ができたら、設計や要件にあった音響特性となっているかを評価します。この評価は建物(室)がどのような目的を持っているかによって変わります。これは、周波数特性に限ったことではなく、全ての音響特性の評価に当てはまります。
音響的な特性として(周波数に限らず)判りやすく考えてみます。例えば、体育館やスタジアムを考えてみましょう。体育館がもし、デット(残響が少ない)な空間だったら、観客の声援は、廻らず、スポーツ選手の発する、打撃音などが響きません(バレーボールがビーチバレーのような音になり、アタックを打っても、ダン!という音が響きません)。ですから、スタジアムや体育館などは、ある程度以上ライブ(残響が多め)な空間になっていなければなりません。
ところが、同じ空間で、講演会を行なえば、話者の話が反響して、少し聴きにくく明瞭度が低下します。それならば、人の声の周波数帯域のレベルを上げておいたらどうでしょう直接音の音量で勝負です。
この空間で音楽を流せば、中音域のレベルが大きく残響が多すぎる散々な結果となるでしょう...
結婚式や葬儀会場の日本式と教会式の場合を考えても残響など、音響特性が同じ条件が好ましいとは限らないことが容易に想像できます。(僧侶の読経が教会のように反響するのは多分望まれないでしょう...)
可変残響版などがある多目的ホールなどの施設は別として、極端に考えれば、音響的なサービス内容(目的)が異なるため、評価する場合には、音響サービスまで含めて考えなければ、正しい評価はできません。当然、好ましい音響特性に調整することもできないでしょう。
音響測定の目的は、音響特性を評価するためのデータ収集と、結果を利用した補正、調整にあります。ただ測定しただけでは、なにも起こりませんから、正しく測定すること以上に、評価と調整が重要になります。
10回にわたって音圧分布と周波数特性の音響測定についてお届けしました。11回以降は、音響測定に限らず、音響関連のコラムとしてメールマガジンでの連載を継続しています。
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