|
この連載は、音響業務関連として音響測定や音に関する内容をお届けしています。前回は、音圧レベル分布測定の作業方法についてご紹介しました。今回は、測定に使用する信号についてです。
音響で利用する信号は、性質によって分類すると、代表的なものが3種類ほどあります。
1.発信機の規則的な信号
規則正しいサイン波など発信機の信号は、ある特定の周波数のみの音だったり、その信号の性質がよくわかっているため、計測した結果を見るのに適しています。
この中にはスイープという連続的に周波数が変化してゆく信号や、トランジェント信号といった特定の特性を調べるのに利用する信号もあります(普通、放送分野では利用されていませんオーディオ機器の開発や評価用です)。
2.ノイズ(雑音)
テレビやラジオの受信できないCHなどにチューニングした時の「サー」「ザー」という音が音響でいうノイズです(ホワイトノイズです。きれいなホワイトノイズではありませんが)。
ノイズには、ホワイト、ピンク、ブルーなど色にたとえられた名称をもつ特性のものがあります。ノイズを聞いた時の音色から連想されるイメージを色にたとえて命名されています。
ノイズは、低い音から高い音までがミックスされた性質があります。そのため、ノイズは周波数(音の高低)上の性質を分析する場合によく利用されます(単位時間あたりとかパワーとか難しいことはここでは触れません)。
また、M系列という、ノイズに聞こえる計算で作り出す擬似雑音信号も利用されます。
3.パルス
パルスとは、非常に短い信号波形が針のような直流信号です。そのまま音にすると、「プッ」、「パッ」というような音になります。パルスは、インパルス応答と呼ばれる信号経路の特性や、残響などの反射状態を調べるのに適しています。
他にも特殊な信号はありますが、基本は、測定した音の大きさや波形から、測定対象となる機器や部屋などの特性が分析できる性質を持つ信号を利用します。
ノイズ
M系列は、ホワイトノイズ(白色雑音)とみなせるような擬似雑音の発生技法です。ディジタル化した場合にローコストに生成できるため、DSPを使用したディジタル機器のノイズなどで多く利用されています。
M系列を自己相関関数で検出することでパルスの代用として測定する方法などが考案されています。比較的周期の長い乱数の計算手法の1つです。
情報処理分野では、他にも、質のよい(無周期に近いほど長い周期の)乱数生成方法も提案されています。ディジタルの世界では、本当の意味での無周期に近い乱数を計算で作ることは重要な技術となります。
アナログの場合には、電子部品をアンテナにしてノイズを作り出したり(ラジオのノイズに相当します)。半導体のノイズ性の特性を持つ部分を強調して利用するなど回路の工夫によって機器のノイズが作られていました。
|
音色は、音の高低の特性によって決まります。音の大きさが対数的であったように、人は、音の高低も対数的に感じています。
音程(周波数)が倍や半分になるとある規則性を感じます。これがオクターブです。音楽の時間に何の説明も無くオクターブだと教えられましたね。鍵盤12個で1オクターブだとか...
次回は、オクターブバンドなど音の高低を含めた評価基準などを取り上げたいと思います。
|