プレーヤーとメディアのハイブリッド化

サウンドコラム 音とオーディオの四方山 vol.42
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音響技術とソフトウェア、ハードウェア開発

音響と開発 : Sound & Development
株式会社エーアールアイ / ARI
ARI CO.,LTD.
音とオーディオの四方山

プレーヤーとメディアのハイブリッド化

BD / HD DVD / DualDisk
42

このコラムは無料メールマガジン「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64(2002年8/15〜2004年11/18)に音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

Bru-Ray Disk vs HD DVD

記録型DVDのメディア対応なども峠を超え、DVDのメディアの趨勢も見えてきたところで、次世代のメディアに関するニュースも増えて来ました。 次世代メディアでも、1本化とはならず、Bru-rayとHD DVDの2つの規格グループが覇権を争う(2004年8月掲載時)という構図になっているのはご存知の通りです。

次世代メディアと目されているBru-Ray DiskとHD DVDの規格関連のプレーヤーの主役の1社に今回はマイクロソフト社が名前を連ねている点が従来とは一味違うというところでしょうか。

もはや、PCとOSは従来のように「記録メディアに対応する」「再生を可能にする」あるいは、「より家電に近づいたAV PC」というような位置ではなく、完全にCE(コンシューマ エレクトロニクス)製品として、しかも、PCは両陣営に対応するという家電メーカーとは少し異なる位置にいますから注目度も高くなります。

  ▼次世代DVD競争――漁夫の利を狙うマイクロソフト?
    ITmedhia ライフスタイル -コラム 2004/07/29
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0407/29/news023.html

  ▼Blu-ray DiscのファイルシステムはUDFへ。“殻なし”のベアメディアも登場
    ITmedhia ライフスタイル -ニュース 2004/08/04
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0408/04/news018.html

  ▼東芝・NEC、HD DVDのロードマップを説明――
    DVDメディアとの兼用生産プロセスは稼動段階に
    ITmedhia ライフスタイル -ニュース 2004/07/27
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0407/27/news014.html

次世代メディアの課題と普及

さて、次世代メディアは当然、大容量化と高品位、コピープロテクトなどCD/DVD以上に優れたものとする必要があることは言うまでもありませんが、大容量化することや記録方式が高精度化することによって、その製造コストや製法などの問題や、収められるコンテンツの内容、利用者への普及などハードウェア的な面だけでなく多方面で課題も生じます。

スペック的に優れた規格、製品がかならずしも市場の要望に適合しているとは限らず、既に普及している規格がそのまま主流でありつづける可能性すらあります。

できるだけ新しいメディアの魅力によって迅速に広く普及するものとするためには、マーケティング面での戦略が重要なポイントとなることは想像に難くありません。

  ▼Blu-ray Disc、普及のカギを握るのはインタラクティブコンテンツ
    CNET Japan ニュース - パーソナルテクノロジ 2004/8/18
    http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20070543,00.htm

インタラクティブなメディアとして、映像コンテンツ配布ディスクに記録領域を持ち、ユーザーとコンテンツホルダーが記録機能を活用するというメディアの利用方法が提案されています。

従来メディアと異なる普及戦略

Bru-rayは、いままでのディスク・メディアと異なり記録型が先行して市場投入されています。 従来メディアでは、再生メディアが先行し、後に記録型が続くという順序でしたが、Bru-rayは逆に記録メディアとレコーダーが先行しています。

いろいろな要因があるのでしょうが、記録型先行なのは、DVD録画との差別化などの理由以外に、上のニュースにあるような記録型を主とした利用方法によって、次世代メディアは記録型がコンテンツ市場でも中心になるという考えも一因なのかもしれません。

先のITmedhiaの記事中でも言われていますが、一般にBlu-Ray Diskは記録、HD DVDは配布メディアに適するとされていますが、もしも、ユーザーの記録機能を生かすという方法が主となると配布メディアと記録メディアは普及期最終段階では収斂されることになりそうです。

DualDisk

  ▼片面がCD、もう片面がDVD――「DualDisc」の抱える課題
    ITmedia ライフスタイル -ニュース 2004/8/9
    http://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0408/09/news003.html

こちらは、新媒体というわけではなく、DualDiskというCD/DVDを1枚に収録するディスクのニュースです。米国などで店頭試験販売されているらしいですが、ライセンス問題から製造するのが困難になっているというニュースです。

CD/DVDの2枚同梱商品というものはヒット商品もあり音楽メディアのセル形態として認知されていますが、DualDiscは日本では販売されていません。

公式サイト http://www.dualdisk.com (URLは、discではなくでdiskのようです)も"Comming Soon"と記載されているだけですし、情報もあまり見かけません。 ソニーは海外でDualDiscのソフトを試験販売しています。

SACD / DVD-Audio

国内でも販売されるのか、本格的に製品に利用されるのかなどは情報がありませんが、国内で販売される場合にはSACDハイブリッドと両面にしてCD+SACD+DVDというハイブリットの塊のような商品になるのかもしれません。

DVD面をDVD-AudioにするとCD/SACD/DVD-Audioの3ハイブリッドとなって、オーディオ最強ハイブリット製品になりますが……さすがにDVD-Audioまでは無いでしょうね。

次世代メディアは、既存のディスクと互換性があるわけではありませんが、時間の問題で全メディア対応プレーヤー/レコーダーによって、互換問題は解決すると考えられていることでしょう。

DualDiskのハイブリット化は、CDとSACDのハイブリッド化とは異なり、互換問題に端を発するものではないでしょうから、需要が強いものなのかも疑問は残ります。 プレーヤーがCD/DVDに対応できる中、メディアのハイブリッド化はどのように市場が反応するのかは興味深いところです。

サウンドコラム 音響とオーディオの四方山

音響システムやオーディオ、AVに関連した雑記

「アメニティ&サウンド音と快適の空間へ」 vol.12〜vol.64に 音響システムの関連コラムとして連載していたものを編集掲載したものです。

サウンドコラム 音とオーディオの四方山

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.41〜50

50コーデックキラー
音声圧縮エンコードとノイズ
49自衛隊の大砲を使ったコンサート
チャイコフスキー序曲「1812年」
48デジタルアンプとデジタルスピーカ 6
デジタルスピーカの特徴 2
47デジタルアンプとデジタルスピーカ 5
デジタルスピーカの特徴 1
46デジタルアンプとデジタルスピーカ 4
特徴 3 - 効率、発熱、クロスオーバー
45デジタルアンプとデジタルスピーカ 3
特徴 2 - パワーアンプと伝送
44デジタルアンプとデジタルスピーカ 2
デジタルアンプの特徴 1 - シンプルな構成
43デジタルアンプとデジタルスピーカ 1
D級アンプと消費電力
42プレーヤーとメディアのハイブリッド化
BD / HD DVD / DualDisk
413D音響システムとスピーカ・アレイ
Iosono(アイオソノ)とサラウンド

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.31〜40

40音効とCGスペクタクル映画
映画の音響効果とリアリティ
39開発者の音作りと発想
デジタルの音作りと哲学
38海の音響技術 後編
海洋音響トモグラフィー/深層海流の計測
37海の音響技術 中編
音響チャンネル(SOFAR) 音響哨戒網
36海の音響技術 前編
海洋の音響技術ソナーと低周波ソナー
35チェンバロにタンチョウヅルの羽根
サウンドコラム 35
34VoiceXML 2.0勧告案公開
サウンドコラム 34
33騒音性難聴の防止薬品
サウンドコラム 33
32闇と静寂
サウンドコラム 32
31Inter BEE 2003 とHD放送
SD、HD、テレビ解像度

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.21〜30

音響冷却方式と水冷式 / 魔法の杖と音声認識の確率(自動音場調整AVアンプのレビュー) / 過去と周期と予想 / 音の記憶 / 録音テープの「肉声」 / 米国のCD市場の変化とCCCD / 音質?デザイン? / 機械の音のリアクション / 3D音響のトラッキング付き配信(ヘッドホンの立体音響, ヘッドトラッキング) / 地上デジタルTV 開始とInter BEE

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.11〜20

CDを再生できないCDプレーヤー CCCD(Copy Control CD) / 音質は確実に落ちている? / 手軽に音響測定 / アカデミー音響賞、音響効果賞 / デジタルTVの双方向性 / テクノロジーと本質の視点( デジタル・オーディオは高音質か? ) / PCMはCDと同じ? / デジタルアンプの時代( デジタルアンプのコンシューマ化 ) / オーディオ機器への音楽配信 / 家庭の音場補正

サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山vol.01〜10

デジタルオーディオと記録 DVD製造者認識コード(Disc ID) / CD誤り訂正と音質、ピット、誤り訂正 / CDリッピングで音質向上? / パソコンのサウンド機能 / 人間の耳−最も優れた音のセンサー(精密測定用マイク, カクテルパーティー効果) / パソコンの静音設計とノイズ / ホームAVサーバー / TV放送の音声と帯域 / パソコンVS家電 - データ交換 / DVDの評価表現「劇場上映時と」

サウンドコラム 音響関連イメージ

サウンドコラム 音響測定編

音響測定、音圧レベル分布、伝送周波数特性

「アメニティ&サウンド 音と快適の空間へ」のvol.1〜10に連載していた 音圧レベル分布と伝送周波数特性に関連したコラムをサウンド コラムのページに編集して掲載しました。

サウンドコラム 音響測定編

サウンドコラム 音響測定編 音圧分布

音圧レベル(SPL)、オクターブバンド、dB、ノイズ

サウンドコラム 音響測定編 周波数特性

周波数、基音と倍音、無響室、フラット再生

≪ サウンドコラム 音響とAV,オーディオの四方山 ≫

Inter BEE 2014 参考出品の報告 - 幕張メッセ 2014年11月19日(水)〜21日(金)

放送用音声比較装置 ABE-2100Cを国際放送機器展に参考出展しました。 ご来場ありがとうございました。

Inter BEE 2014(国際放送機器展) 放送用音声比較装置 ABE-2100C (Sound Comparator) 参考出展の報告

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