6.3 効果機器調整 2/2
ディレイ
ディレイは、時間的に電気信号を遅らせることの出来る機器です。電気信号を遅らせることによってスピーカから出す音のタイミングを制御することが出来ます。複数のスピーカから同じ音を出す場合においては、欠かすことの出来ない調整です。目的としては、次の2つの事柄が挙げられます。
・明瞭度向上
メインスピーカとサブスピーカの配置を下図のように仮定すると、音は1秒間に約340mの速さで進むので、受音点ではサブスピーカからの音がメインスピーカからの音に比べて(L/340)秒早く到達することになります。
この状態は、メインスピーカとサブスピーカの音が時間差で受音点に到達するため、音の明瞭状態としては、不明瞭な状態にあるといえます。
そこで、サブスピーカの信号をディレイで電気的にL/340秒遅らせ受音点に届く音を揃えます。この調整により電気音響設備の明瞭性を上げることができます。(例:L=34mの場合は0.1秒遅らせる)
※明瞭性は、建築音響と電気音響の双方の要因で決まります。ここでの調整はあくまで電気音響側が明瞭度を向上させるために行うことのできる手法の1つです。
・タイムアライメント補正
スピーカがマルチウェイのシステムでウーファ、スコーカ、トゥイータのユニットから受音点までの到達時間を一致させる目的で調整します。
図のようにスコーカのユニットはトゥイータ、ウーファと比較してそれぞれd1、d2の長さだけ後方に設置されていることにより、t秒間に音が進む距離を表すと音にばらつきがあります。
そこでディレイを用いて、トゥイータはd1/340秒、ウーファはd2/340秒だけ信号を電気的に遅らせることでスピーカから出力される音が揃い、高品位な拡声が実現します。
これをタイムアライメント補正といいます。
<音響測定>
各調整終了後、音響状態を客観的に評価するために一般的に認知されている音響指標について測定を行う場合があります。(ホールに代表される大型物件
など)
詳しくは音響測定のページをご覧ください。
|