【Vol.2】 2002年8月号 モニター:ヘッドホン/スピーカ
「ARIアメニティ&サウンド マンスリー」は、毎月 第4金曜日にお届けしています。 みなさまにお楽しみいただけますよう努力する所存ですので、 今後とも末永くお付き合いいただけますようお願い申し上げます。

■□ CONTENS 【VOL.2】2002.8.23 □□□□□□□■□■□■
1.技術・開発コラム
  ヘッドホンモニター
2.音と音響の四方山
  モニタースピーカ
 編集後記
 配信サービスと配信停止
コラム 今回は、モニタースピーカについてと、テキスト版Vol.3の編集後記のピックアップ再編集版です。


1 技術・開発コラム ヘッドホンモニター
技術・開発コラム
このコーナーは、ディジタル機器の開発やソフトウェア開発にかかわることなど、 技術・開発に関するコラムをARIならではの観点で、お届けできればと考えています。

デジタル機器の開発とモニター
ヘッドホンATC-HA4USB ディジタル音響機器の試作、開発では、通常、密閉型の高音質なヘッドホンを利用して音質評価しています。

(※このコラムは、オーディオテクニカ社のヘッドホンの開発の話題ではありません。 ARIが製品開発に携わらせていただいたわけでもありません)

音響機器の開発中は、実験室や開発室がスタジオのように防音されているわけでもありませんし、 他の作業員もいますので、邪魔にならないようにスピーカのモニターはあまり使用せずにやむを得ない場合以外は、 ヘッドホンによるモニターで作業を行ないます。

コラム ステレオ定位の確認
モニタースピーカの場合には、スピーカの位置と座っている位置や方向によって定位が崩れますが、 ヘッドホンの場合には、作業者の状態によらず定位が決まるので、パンポットなど、 定位に関連する部分の問題を常にモニター確認できます。

慣れると、クロストークしている場合なども定位感で気づくことがあります (レベルによりますが、少し頭外定位しているような感じになります)。

1本のモニタースピーカーの出音で確認していると、DSPの信号処理プログラムに誤りがあり L/R反転や、左右逆相片チャンネル出力している場合など、 気付きませんが、ヘッドホンモニターとオシロスコープを併用していると簡単に見つかるので、 開発時のモニターとして一番確実だと思います。
密閉型のヘッドホンの場合だと、外部からの音がある程度消音されることもあって 小さいノイズや異音なども見つけやすく、ステレオ音場の定位も判りやすいので、 ヘッドホンを利用してモニターすることが多くなります。

試作時など開発初期には、誤ってフィードバックループで発信したり (ハウリングのものすごいやつになります) ノイズが出力されたりします。

モニタースピーカから音を出して作業をして、このような雑音を発すると他の技術者の迷惑になりますから、 ヘッドホンを利用するのですが、DSPの処理を誤ると、 爆発音のような音が出たり、最大音量で発信音が出力されて心臓が止まりそうになります (・o・;

時間遅延を利用するエフェクター(ディレイリバーブなど)の場合には、 DSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)は、メモリーに記憶した信号音を処理して出力します。

このときDSPのソフトウェアを間違えると、 ディジタル信号が連続した音にならないので予想もつかない出力信号になります。

コラム メモリ
ディレイ(Dekay)、リバーブなど、エコーを作るために遅延時間によって信号処理しているもの以外でも、 DSPのアーキテクチャやシグナルフロー、信号の位相を揃えるために、 メモリに記録した信号を読み出すプログラムにしている場合があります。
特にリバーブ(Reverbrator)は、部屋の反射音を擬似的に作るために、 記憶した信号を多数ミックスして出力します (さらに反射のシミュレーションとして メモリに記録する処理を繰り返すのが大抵のリバーブの基本アルゴリズムになります)。

この多数が不正な信号になると、爆発音のようなノイズが大音量で出力されます。 (^^;


オシロスコープ 以前にヘッドホンをして発信器を持つディジタル機器を開発していた時には、 最大音量でサンプリング周波数32KHzでフルスイング発信させたこともあります。

この時は、なぜか非常に小レベルでしか発信出力されていない状態だったので、 ボリュームを最大に して音をモニターしながら調べていたのですが、 作業している内に16KHzのフルスイング出力されている状態になっていました。

16KHzは、人間の可聴帯域(音として聞こえる周波数範囲)なのですが、 サイン波(純音)をヘッドホンで聞いたこの時には、 音を聞いているというよりも、何かしらみょうに圧迫感があるという感じでした。 スイープ(連続的に周波数を変化させた)音の場合や、ブラインドテストでは 16KHzが判別できても、無意識に聴くと、最大振幅レベルでも、 サイン波が鳴っていることに気が付かないことがあるのだと判りました (出音、消音のクリックや違和感を感じていますが、予期している音は聞こえないので)。

16KHzで管全面がシグナルになった オシロスコープを見たら、管面が真っ白(右の図のように) になっていて(小レベルを調べていたのでレンジも フルスイングは表示できないレンジなんです)、 なにが起こっているのか理解するまでしばらくの間そのまま16KHzを最大音量で聞きつづけていました...

ディジタルヘッドホンの開発で、 初めてハウジングに収めてテストする時には勇気がいるのでしょうね( デバッグ用の試作はハウジングに収められていないのでしょうけれども...)。 (^^)

コラム テキスト版のVol.3 編集後記に加筆、再編集したものです。
Vol.3の4月時にオーディオテクニカ社からUSBヘッドホンが発売になったこともあって、 音響機器の開発時の話題を編集後記に書きました (USBヘッドホンについては ATC-HA4USBのページ に掲載しています)。

ARI PR ARIは、デジタル機器の ハードウェア開発ファームウェア開発 をお手伝いしています。


2 音と音響の四方山  モニタースピーカ
音と音響の四方山

このコーナーは、音や音響についてのコラムをお届けします。 前回は、12音階、音階名とチューニングについて音楽音響的内容をお送りましした。
「1.技術・開発コラム」 がモニターの話題ですが、こちらのコラムも今回は、期せずしてモニターに関連したお話です。

モニタースピーカ
コラム 商用施設の
放送モニター

遊園地やデパートなどの商用施設でも放送設備がありますので、 機械室や通信室などにモニタースピーカーが設置されています。

これもモニター用のスピーカですが、音響スタジオにあるモニタースピーカとは目的が異なり、 音質より放送内容(特にアナウンス)が聞き取りやすく、 BGMなど放送が行なわれているのか停止しているのかが判ることが重要になります。

さらに、設置方法(天井や壁への埋め込み、金具吊り)やサイズも重要なファクターです。
モニター・スピーカというと、レコーディングスタジオや、放送スタジオなど、 音響スタジオのモニター室、ミキサー・ルームなどのミキサー卓の上などに置かれているオーラ−トーンや、 JBL、YAMAHAなどの小型のスピーカーを連想する方も多いかと思います。

商用施設の放送室などのモニターを連想される方や、 各種コントロールルームの警報などのモニター用スピーカーを連想される方もいらっしゃるかもしれません。

今回のモニター・スピーカは、音響スタジオなどでのスピーカについてです。

モニターはリファレンス用として、メインは制作時のためにと モニタースピーカメインスピーカには、それぞれ役割ががあります。
モニターとメインでは採用する場合の選択基準が異なるのですが、 モニタースピーカーに関しては、採用選択に特徴的な点があるように思います。

数年前に、あるアマチュアのDTM(デスクトップ・ミュージック) を趣味にいしている方が 「○○○(というモニタースピーカ)が レコーディング・スタジオで採用されているのをよく見かけるので、 ○○○を購入するのが良いと思うがどうか?」 と質問したのに対して、 相談された方(同様に趣味の人)は 「○○○も、×××も良い。 音を聞いて、自分の音楽にあったスピーカをモニターに選択するのが良い」 と回答されていました。

コラム BBCの御墨付き
BBC放送で採用される機材や規格などは、 「BBCの御墨付き」として他のスタジオなどでも採用されて、 ヨーロッパにおけるデファクトスタンダードになることが多々あります。

他が追従するのは、BBCの納入機材などに対する要求や評価が、 ヨーロッパで重んじられていることが理由の1つですが、 BBCと同じ機材を採用することにメリットがあるからです。

BBCと同じ機材を採用することで、多くの音響スタジオなどと互換環境となり、 ユーザー(オーナー自身も含めて)に利用してもらいやすくなるからです。
日本でも同じですよね)。
各製品には特徴がありますから、音楽によって向き、不向き、好みなどもあり、 異論は無いのですが、音響スタジオで多く採用されるモニタースピーカというのは、 音質が良いことは当然として、キャラクターまで含めて、 エンジニアやディレクターなどの方が、音や特徴を良く知っているスピーカである ということの方が重要な点です。

メインスピーカーは、対象とする音楽分野との相性が良く (クラッシック音楽に向くとか ポップスに向くなど) クオリティが高いことが求められます。

一方、モニタースピーカーの場合、音質もさることながら、 リスナーが聴く環境(メディア、ミニコンポ、テレビなど)や、 CDマスタリングの結果、どのように最終的に聞こえるのかが予測できたり、 初めて利用するスタジオであっても、どのように仕上がったかが判断できることが重要です。

アマチュアの場合、他の人がモニターを聴いて判断する必要がありませんから、 プロと同じ機材を選択しなくても、バランスや定位などが確認できて、 制作した音がどのようにリスナー環境で聞こえるのか予測できるのであれば、 専用にモニタースピーカを使わなくても、メインスピーカーだけで十分な場合が多いのではないでしょうか?

癖が強いメインスピーカを利用していたとしても、 メインスピーカでの聞こえ方が、他の環境ではどのように聞こえるかが判っていれば、 モニタースピーカで確認しなくても制作できます。

最近、あるきっかけで、このモニタースピーカの件を思い出したので、 今回は、モニタースピーカーについて書いてみました。まだまだ、モニターに関しても、 色々ありますが、またの機会に...

それでは、次回もよろしくお付き合いください(^^)

ARI PR ARIは、音響設計音響測定、 音響調整など音響関連サービス の業務や、 デジタル機器の開発プロ用音響機器 の販売を行なっています。


■□ 編集後記 □■

HTMLメールのこと
創刊当初にもHTMLメールのコーディングの件を編集後記に書きましたが、 HTMLメールの形式やコーディングをメール閲覧ソフトウェアにあわせるべきなのですが、 メール閲覧ソフトのHTMLレンダリング(表示)の互換情報などは、 ブラウザに比較すると少ないので、確認できていないメールソフトで実際にはどのように見えているのかは、 やはり少し不安なところです。

何か表示に不都合があるとお感じの方がいらっしゃいましたら、お手数ですが、 お知らせいただければ幸いです

( ブラウザでもそうですが、正しい表示がどのような状態かがわからないので、 読者の方はかなりひどい状態でなければ、不都合なのかが判別できませんね。 スミマセン)。

(^^) 顔文字
HTMLなので、スマイルマーク(顔文字)などは、 GIF画像にしてしまうことも考えたのですが... 日本版の顔文字 (^^) で良いということにしました。:-)

過去にはテキスト文字で表現するために生まれた絵文字ですが、 画像が利用できるホームページなどで、現在でも多用されているのは、 利用しやすく、表現したいニュアンスが伝わりやすいと考えられているからでしょうか?

余談ですが、Google日本語版 などの検索エンジンでは、記号は単語の区切りに当たるため、たいていの絵文字は検索されませんが、 "φ"(ファイ)の文字は、 全角の記号のため検索対象とされ、実行すると、 ”φ(..)メモメモ" という絵文字を含んだタイトルのページが検索結果の1ページ目の中に表示されます (日本語のページを検索した場合です)。

検索結果2ページ目(10件表示の場合)には、 "φ(..;)"や ”ちょこっとφ(..)めもめも帳" や"φ(..)社員Aによる報告"、 "☆ かきこめ!φ(。。;) ☆" と沢山の"φ"を絵文字に使ったページが見られます。

それでは、次回10月号もよろしくお願いいたします。 (^^)

ご意見、ご感想、技術関連のご投稿など歓迎いたしますので、なんでもお気軽にお寄せください。


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